売茶中村について

朝、揉んで
仕上げたばかりの
茶葉をその日に飲み、
味わうための店

茶畑から摘んだばかりの柔らかい新芽を
蒸して、揉みながら乾燥させて作られる煎茶。
作られたばかりの、揉み立てのお茶を味わえるのは、
これまで製茶場で働く人だけの特権でした。
〈売茶中村〉は小さな製茶場と喫茶を併設した、
お茶の専門店です。
揉み立てのお茶を飲むことができる場所。
まろやかさと爽やかな香りを持つ揉み立てのお茶を、
多くの人に味わってほしいと店を構えました。

揉んで仕上げたばかりの茶葉を味わうためのお店

揉み立てならではの新鮮さで
茶葉本来の味わいを知る

揉み立てならではの
新鮮さで茶葉本来の
味わいを知る

2022年10月に誕生した〈売茶中村〉は喫茶に製茶場を併設したお茶専門店。店の一日は茶葉を揉みながら乾燥させる、製茶から始まります。小さな製茶機を使い、数時間かけてその日使う分の茶を作るのは、揉み立ての新鮮な味を知ってほしいから。本来なら製茶場で働く人でなければ飲む機会のない揉み立ての茶。茶を商う茶商であっても、ほぼ飲む機会はないという希少な存在です。
その魅力はなんといっても、溌剌とした香りの高さ。フレッシュでありながらまろやかさのある味わいを持ち、茶葉の個性がダイレクトに伝わります。〈売茶中村〉で揉みあげるのは、地元・京都の茶葉をはじめ、鹿児島など、各地様々な茶農家の元を訪れ集めた、10種類を超える、個性豊かな茶葉です。環境や栽培方法はそれぞれ異なるものの、真摯に茶と向き合う生産者であること。そして飲んでおいしいことを大切に選びました。茶葉それぞれの特性を見極めて、温度や揉み方を細かく調整し、持ち味を最大限に引き出すことができるのは少量ずつの製茶ならでは。揉み立てを味わうことで、品種ごと、畑ごとの繊細な違いを知り、好みの茶葉を見つけてもらえれば、茶の世界はぐんと広がるに違いありません。

土づくりから茶を学んだ息子と、
茶一筋の父による、ほかにない喫茶

土づくりから
茶を学んだ息子と、
茶一筋の父による、
ほかにない喫茶

実は茶の世界は分業が一般的。茶葉を栽培し、収穫した茶葉を荒茶と呼ばれる茶に仕立てる茶農家と製茶場。荒茶を買い付けて火入れやブレンドを行い、店の味を作りあげて商う茶商。そして茶を広く楽しんでもらうための喫茶。そのなかにあって、茶葉を育てる以外のすべてを集約するのが〈売茶中村〉です。それを可能にしたのは店主・中村栄志が、茶農家と製茶場で修業を重ねた経歴の持ち主だから。製茶場で飲んだ揉み立ての茶の、はっとする味を知ってほしいの一心で、喫茶に併設する製茶場を作り上げました。5月に詰んだ茶葉はすぐに蒸し、急速冷凍して保管。使う分だけを解凍し、熱をくわえながら揉み込み乾燥させ、計5台の機械を通して揉みあげます。完成した茶葉は色も鮮やかに、淹れる前から高い香りを放ちます。
揉み立ての茶を丁寧に淹れた一杯を提供する喫茶〈売茶中村〉。共に切り盛りするのは宇治の老舗茶商に生まれ育ち、茶一筋に40年近くを過ごしてきた父・中村淸孝です。火入れや淹れ方など豊かな経験を持つ淸孝と、茶栽培の現場を土づくりから学び体得してきた息子・栄志。ほかにない喫茶はこうして幕を開けました。

中村 栄志
1991年生まれ。大学卒業後、茶の世界を深く知るべく鹿児島〈西製茶工場〉で修業を開始。〈西製茶工場〉は有機栽培で茶を育てて作る第一人者。6年半の修業を経て2021年に帰京。1年間の準備期間を経て、〈売茶中村〉を立ち上げる。


中村淸孝
1959年生まれ。安政元(1854)年創業の製茶問屋〈中村藤吉本店〉の5代目三男として生まれる。大学卒業後は父や兄と共に家業に従事し、2004年に分家独立、卸売を中心として茶業を営む。〈売茶中村〉では店頭に立ち、茶葉の鑑定をして店を切り盛りする。